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制御とは

2024-01-07

目次

はじめに

   制御工学を学ぶにあたって、まず制御とはどのようなものかを知る必要がある。しかし、そんなに身構える必要もなく、実は日常生活に溢れている。日常生活で制御なんて言葉はなかなか使わない。それは恐らく制御するという意識がないまま使用しているので気付きにくい。家の玄関に入る、たったこれだけのことで様々な制御が隠れている。玄関の鍵を差し込み鍵の形が合えば回る機械的な仕組み。オートロックであれば電子機器を近づけたときに整合性をとる電気的な仕組み。鍵を開けた後はドアがスムーズに開く構造的な仕組み。これらの仕組みが組み合わさり制御されて、不満なく日常が送れているのである。
   制御するにはまず何よりどんな現象が起きているか、もしくは起こせるかを知る必要がある。こういう意味で制御工学は物理学の応用の一つとする。
   制御工学というと電気的な制御、構造的な仕組みは建築系の構造力学、機械的な仕組みはトライポロジー(摩擦学)という区分けを感じる。一般的に制御全てを深く扱うというわけではなさそうなので注意。ただ、仕組みが同じであれば電気で機械・構造として動かし、機械・構造として動かし電気として得る。いずれにせよ、これらも同様に物理学の応用と捉えよう。
   ということで、制御を理解するには現象を理解する必要があり、現象を理解するには数学という手段を用いている。時間・位置の変化に対して何らかの物理量の変化を追うことで現象を理解する。
   ここで、物理量が変化したかどうかを確認する必要がある。そしてその変化量に応じて次にどう変化させるか、判断する必要が出てくる。どれくらいの変化量を次にどう変化させるかは自律的、もしくは非自律的に行われる。人の手を借りることなくセンサーで制御するのが前者で、人の目分量やさじ加減を参考に制御するのが後者になる。